アルコール依存症患者の作業の状態の特徴と傾向に関する研究
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アルコール依存症患者の作業の状態の特徴と傾向に関する研究
-再入院患者向けプログラム開発のための調査―
A.背景および目的
入院のアルコール依存症リハビリテーションプログラム(以下、ARP)の一環として、作業療法(以下、OT)が行われています。OTは集団活動を中心として運動や創作活動などが提供されていますが、再入院された方に対しては抱えている課題とそのOTの内容が合致しておらず、プログラムへの満足度低下が報告されています。また断酒率は入院を繰り返すほど、低下するという報告もなされており、現行のプログラムに加え、再入院された方への新たな関わりの必要性を感じていました。
海外において、OTの評価方法として作業に関する自己評価・改訂版(以下OSA-Ⅱ)および作業遂行歴面接(以下、OPHI-Ⅱ)が使用されています。OSA-Ⅱは“毎日の生活で行う物事がどの程度できているか”など、患者さんご自身の捉え方を評価する尺度です。OPHI-Ⅱは“これまでの仕事や趣味、入院中の生活、将来の自分”などについて面接により評価し、今後の目標設定や関わり方の参考に用いられる尺度です。
当院でもアルコール依存症患者に対しOSA-Ⅱ、OPHI-Ⅱを実施してきましたが、入院回数による評価結果の違いは分析できていません。そこで本研究の目的は、当院にARP目的で入院した対象者のOSA-ⅡおよびOPHI-Ⅱの評価結果を後方視的に分析し、今後のOTの活動を検討することです。
B.研究対象および選定方法
2019年1月1日から2019年12月31日までの間に当院でARPのOTを受けられた約100例の保管されているカルテを対象とします。
C.研究方法
カルテに記載された診断名、性別、年齢、入院回数、OTで行った評価尺度(OSA-Ⅱ、OPHI-Ⅱ)の結果、OTの活動記録を対象とし、分析を行います。データは解析前にカルテ番号を消去し匿名化を行います。
この調査では、上記内容を活用させていただきますが、集計、解析の際に匿名化して情報を扱い、患者さんの個人情報を厳重に保護し、患者さんに不利益が生じないように配慮いたします。この調査によって得られた情報は、研究の目的以外には使用いたしません。カルテのみの調査であり、電話や手紙等で患者さんに直接、情報をうかがうことはありません。
対象に該当する患者さんで、この研究について疑問、または情報提供拒否のご意見がございましたら、下記の研究代表者まで、お知らせください。ご連絡がない場合には、貴重なデータとして本研究に活用させていただきます。
【研究期間】2021年1月 - 2022年3月まで
久里浜医療センター倫理委員会 : 2021年1月25日承認
研究代表者 : 国立病院機構久里浜医療センター リハビリテーション科 小砂哲太郎