苦痛の少ない大腸検査

このページは、苦痛の少ない大腸検査への当医療センターの取り組みを掲載しています。大腸検査に関する多様な情報をご覧いただけます。

先端柔軟大腸内視鏡と浸水法のコンビネーション

「先端柔軟大腸内視鏡と浸水法のコンビネーション」が大腸内視鏡検査困難患者の検査時間を有意に短縮し、かつ苦痛をも有意に軽減することがWorld Journal of Gastroenterologyに掲載されました。

これまで私たちは無麻酔でも苦痛が少ない大腸内視鏡挿入法「浸水法」を開発・報告し、先端柔軟大腸内視鏡の苦痛軽減効果について報告しております。
今年5月のSanDiegoでの "Digestive Disease Week (世界で一番大きな消化器の学会) "での発表をきっかけに投稿依頼があり、World J Gastroenterol 2012 August 28; 18(32): 4454-4456に掲載されました。

本日、従来型大腸内視鏡を3回経験している方が先端柔軟大腸内視鏡による検査をしました。
この方はCTコロノグラフィーで見るとS状結腸がきついヘアピン状にねじれており、浸水法を使っても従来型大腸内視鏡ではヘアピン状にねじれた部位の通過に毎回痛みを伴っていました。

今回の感想を聞いたところ従来の大腸内視鏡での痛みを10とすると先端柔軟大腸内視鏡は0、痛みどころか内視鏡が入っている感じすらしなかったとのことでした。もちろん無麻酔での話です。

これからも安全で苦痛の少ない検査法の開発・改良に努めます。

医療現場での音楽の利用 -「聴く音楽、効く音楽」コンサート -

当院の大腸内視鏡検査は全例無麻酔で施行しております。

当院水上の開発した浸水法 "WATER NAVIGATION COLONOSCOPY"を用い、挿入困難例の疼痛を画期的に軽減した先端柔軟大腸内視鏡を運用することで、「3つの病院で盲腸まで入らず、ものすごく苦しかった」「麻酔をかけているのに信じられないほど痛かった」という方達が麻酔なしでも笑顔で検査が行えるようになりました。

ただ私自身も無麻酔大腸内視鏡を3回経験しており、痛いどころか内視鏡がどこにあるのかさえわからない状況でしたが、検査で緊張しなかったと言ったら嘘になります。

ましてやこれまで「大腸内視鏡は痛くて大変だった」「検査で腸に穴をあけられた人がいる」といった怖いうわさを耳にしたことがある一般の方が緊張しないわけがありません。


音楽の医療現場での活用

そこで我々が患者さんのリラックスのため活用しているのは検査中の音楽です。
音楽の治療効果も古くから知られ、ピュタゴラスは竪琴をひいて精神を病む人に聞かせたとされ音楽療法の元祖とも考えられています。

もちろん麻酔をかけて緊張を取る方法もありますが、麻酔薬自体にも副作用はありますし、血圧や呼吸状態など全身状態の管理が必要になります。
また医療者の側もリスクがあり、見落としが許されない検査を長時間続けるのは精神的にも身体的にも非常にタフな状況です。ただ、これこそ薬を飲んでどうにかできる状況ではありません。

音楽でこれらの状況が緩和されるのであれば、副作用もなく、また患者・医療者ともに楽しく検査が出来るようになるのではないでしょうか?
というのが今回の企画の原点です。


音楽の受け止め方の違い

実は音楽の受け止め方は音楽のプロと一般人とでは全く異なります。
音楽のプロにとって音楽の一音一音は言葉のように明確な意味を持ち、検査中に音楽を聴いてもリラックスしませんし、場合によってはイライラすることもあるようです。
ところが私を含めた人口の多くを占めると思われる人たちには音楽の一音一音は言葉のような意味を持ちませんが、情動に作用してリラックスさせることができるようです。


洗足学園音楽大学SILVER MOUNTAIN OPENING CONCERT
「右脳で聴く音楽/左脳で聴く音楽」~コンサートのテーマ~

洗足学園音楽大学
SILVER MOUNTAIN OPENING CONCERTSMC

今回、演奏をしてくださったのは洗足学園音楽大学講師 川崎智子先生です。
川﨑先生はチャイコフスキーやラフマニノフといった高名な音楽家を輩出したモスクワ音楽院大学院ピアノ科を首席で卒業されています。

医療現場、検査中の音楽についてお話を持って行ったところ、前項の受け止め方の違いで最初は全く話が通じませんでした。

その後、御同僚、学生さんたちの調査をされて音楽の受け止め方の違いにご理解を頂き、音楽の旋律・リズムの意味についてプロの視点からの解説と音楽一般人の私の選曲への考察をされたのが今回のコンサートです。

前半は川崎先生が演奏とともに基本的な音楽の旋律・リズムの意味の解説をされています。
後半は私が医療現場、検査室での音楽の活用状況についてコメントし、川崎先生に私が検査室用に選曲した曲を演奏していただき、専門家としての解説をしていただきました。

音楽一般人の感性的な選曲が専門的にはどうだったのか、よろしかったらご視聴ください。

関連リンク

こちらから参考資料として「画像検査からみた便秘の病態」 をご覧いただけます。

以下「診療手順のご案内」において、年齢層や、病気別の診療ロジックと治療期間の目安を随時ご紹介いたします。

 「ご自身の腸」を知ってご自身の腸とのよい付き合い方を見つけましょう。

これまで大腸検査で「異常がない」と言われたが排便障害に悩んでいる方の受診をお待ちしております。

IBS・便秘外来 担当医師 : 水上 健



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