IBS・便秘外来
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IBSと便秘を「目で見える形」にして
わかりやすく治療する病名ではなく「原因に対する治療」をする
徹底的に病態(原因)を明らかにして、その治療を行うことにこだわっております。
それが久里浜医療センター IBS便秘外来のコンセプトです
診断技術や治療手技、治療薬など医療が大きな進化を遂げた現代においても過敏性腸症候群IBSや便秘は分かりにくい困った病気です。
困って病院に行き、清水の舞台から飛び降りるつもりで検査を受けても、帰ってくるのは「異常がない」の一言。効くはずのIBS薬や便秘薬を投与されても、最初は効いても効果が持続しなかったり、効かなかったり。 そもそもIBSや便秘であることは周りに相談しにくく、困っていることを理解されにくい、共有できないつらさもあります。
頼れるべき病院に行っても
1. 思ったような治療効果が出ない
2. 検査をしても異常が見つからない
ことは普通の病気にはありえないことです。
ただし、それにはそれぞれ理由があります。
【お悩み】思ったような治療効果が出ない
理由の一つに、IBSや便秘には「複数の病態(原因)」があるのに、IBSや便秘という「病名」に対して単一の治療が行われていたことがあります。
・IBSは「排便に関連する反復する腹痛」
・便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」
と定義されます。
IBSや便秘は「症状名」で、その原因である「病態」を示すものではありません。
■IBSにはよく知られる
① ストレス関連の病態以外に、
②食事関連や食事の内容関連の病態、
③ 腸の形が関与する逆説的下痢の病態
など3つの病態があります。
■便秘には
・① 小児や高齢者で問題となる直腸性便秘、
・② 外来患者の3割が相当するとされるストレス関連の痙攣性便秘、
・当院が報告している生活関連の③ ねじれ腸や落下腸便秘など
3つの病態があります。
全く異なる複数の病態が絡み合う病気を、IBSや便秘という「症状名」だけで画一的に治療をするのは難しいのは当然ともいえます。
【お悩み】検査をしても異常が見つからない
IBSや便秘は大腸の病気であることから行われるのは大腸内視鏡やCTなどの画像検査です。
採血や検便検査が行われることもあります。
これらは大腸の「炎症」や「腫瘍」を診断するもの。検査で「異常がない」=「炎症や腫瘍がない」ということです。
炎症や腫瘍がないということは勿論良いことですが、悩んでいる患者さんには病気の説明にはなりませんし、治療の手助けにもならないという残念な結果になってしまいます。
そもそもこれまでIBSや便秘に対して病院で行える検査はなかったのです。
ただ、IBSは大腸内視鏡で高度の腹痛を自覚し(J Gastroenterol Hepatol 2010)、便秘は挿入が困難(Gastrointest Endosc 2001)ということは論文で言われていました。
当院は無麻酔でも苦痛が少ない大腸内視鏡挿入法「浸水法(Dig Endosc 2007」」を開発しました。
「浸水法」は難しいとされるS状結腸通過を容易にする方法で、S状結腸通過だけが問題の海外では発表直後から好評でしたが、日本ではS状結腸が容易になるとS状結腸以降の通過も難しかったということが浮き彫りになりました。
便秘患者で挿入困難なことが言われてましたが、内視鏡を入れにくければ便も出にくい、そこには腸の形「ねじれ腸」や「落下腸」が関係していること、無麻酔検査ではIBSや便秘患者ではストレスで腸が動いてしまう人たちがいて、病気に関わっていることがわかってきました(Intestinal Research 2017)。
腸の形や腸の動きで無症状の人に比べて検査に時間がかかることも報告しております。内視鏡を入れにくければ、便が出にくいなどの症状につながるというのは分かりやすいことと思います。


-
正常の腸
-
ねじれ腸
-
落下腸
すなわち、検査をしても「腫瘍」や「炎症」などの異常はないが、腸の形や動きから「検査自体が難しい」という異常はあったのです。
臨床経験を積むことで、問診と腹部X線で病態(原因)を探って治療できることを見出し(日本消化器病学会雑誌2023)、実践しています。
その後、食事内容に関わらない食後下痢症「胆汁性下痢症」、腹部膨満にも関わるFODMAPや脂質などの発酵性下痢やガス、セリアック病に対する検査も整備しております。
※【ご案内】セリアック病と発酵性下痢の特殊検査
徹底的に病態(原因)を明らかにして、その治療を行うことにこだわっております。
「私はIBSでしょうか?」と恐々聞かれる方もいらっしゃいます。
「くらやみのお化けは怖いけど、正体が分かったお化けは怖くない」
困っているIBS、便秘の原因を目で見てみませんか?
当院IBS・便秘外来診療実績
IBS・便秘外来の初診患者数を以下に示します。
初診患者数 (人) | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|---|
小児 | IBS | 47 | 79 | 97 |
機能性便秘 | 103 | 211 | 165 | |
成人 | IBS | 252 | 341 | 290 |
機能性便秘 | 207 | 147 | 163 | |
全体 | 609 | 778 | 715 |
ご注意
・40歳以上の方で病歴が半年未満の方は「癌や炎症など」の重篤な疾患が症状を起こしている可能性があります。遠隔地の方は近隣の医療機関を受診して「癌や炎症など」の器質的疾患がないことをご確認ください。
・放射線科Q&A検査における被ばく線量について